中学受験・高校受験・大学受験・帰国子女を含む英語教育全般および
教材の出版とテスト会の運営、EQ育成などトータルサポートする田島教育グループ

お問い合わせ

EQを向上させる第一歩 EQ開発講座

2014.5.24

EQ開発の第一歩は、理想形を持つことです。

理想形というのは、なりたい自分・手に入れたい自分の姿のことです。

子供に関して言えば、なって欲しい子供の姿のことです。

理想形というからには、ころころ変わってしまうものでは

困りますが、完全に固定されたものでなくても構いません。

その場その場の気分次第で、日替わり定食みたいに

変わってしまうことがなければOKです。

いつも追いかけることの出来る、ある程度固定されたイメージ

を持つということです。

家庭生活や学校生活などの具体的な生活の各場面で、

困難に遭遇した時、悲しみに出会った時など、さまざまな場面で、

どんな心の構えを持てるようになって欲しいか、どんなコミュニケーションをとれる人間になって欲しいかイメージしてください。

当然そのイメージは、社会人として自立したときの姿に繋がるものでなければなりません。

この理想形を持つ段階で、注意しなければならないことが、三点あります。

まず第一点ですが、心には、気質と言われるように、なかなか変えるのが難しい

ところがあるのは事実ですが、一般に理解されている知能のように、

向上させることができる・変えることが出来ると本気で信じるということです。

この信念がないと、これからお教えすることが、当たり前ですが、意味をもちません。

信じても何の損も無いのですから、勇気ある一つの選択として心に決めて下さい。

EQ開発の第一歩である、理想形を持つ上での、第2の注意点は

本人の気質なり性格は、無条件に肯定するということです。

これが出発点です

気質とか性格について、ある程度、心理学上の知識をお持ちの方はこのことに違和感は抱かれないと思いますが、

中には、初めから受付られない方もいらっしゃるかもしれません。

そこでたとえ話をしてみます。

ある程度の誤解は承知で、木に例えてみます。

ここでいう、無条件に肯定するというのは、もう既に、土の中にしっかり

はり始めた根や、育った幹の部分には、直接傷を付けたり細工を施したりせず、

それらをどう活かして、どう枝や葉を繁らせ、どんな花を咲かせるか

どんな実を成らせるかを考えるということです。

臆病な気質を持つ子供に対して、何に対してもすぐ逃げ腰になったり、

自分の意見を主張するのを躊躇してしまわないようにする一方、

物事に対していつも慎重で、細部まで手を抜かない姿勢はそのまま

堅持して成長して欲しいと願う訳です。

大胆な性格にそっくり作り変えてしまおう等と考えるのではなく、

あくまでも、本人の持つ気質の延長線上に、不安や怖れの情動を

上手に制御し、勇気ある主張や行動を支える情動を、自ら作り出せる

ようにすることを考えるのです。

イメージしていただけたでしょうか?

理想形を持つ上での最後の注意点は、「愛情を持つ」ということです。

「愛情が基点になっていることを確認する」と言った方が正確に伝わるかもしれません。

子供に愛情を持ってるなんて、当たり前のことじゃないか。

愛情があるからこそ、理想形を抱き、一歩でも二歩でもそれに近づけよう

と考えるんだろう?

本当にそうなら文句なしです。

まえの二つの注意点も簡単にクリアーしていると思います。

しかし、私の経験から言わせていただくと、結構そうとも言えない場合が、実はあるのです。

それは、親なり指導者の、決して高いとは言えないEQのなせる業なのです。

つまり、単に、おもしろくないのです。

気に入らないのです。

我が子として認めるのに抵抗があるのです。

自分自身の欠点を見ているようで、腹立たしい思いがあるのです。

それを解消しようとする情動は、愛情とは似て非なるものです。

また指導者の、こいつの欠点を俺が直してやろう等と思うのも、

単なる自己満足や思い上がりといった部類のもので、

愛情とはやはり違うようです。

他人に対する場合ではなく、ご自分に対する時も同様です。

(つまり、ご自分の心を鍛える手段としてEQを高めたい。そのために理想形をイメージするときです。)

本当に自分を愛しているか。

この場合の愛は、極めて積極的なものです。

愛があるかどうかなんてものじゃなく、遺志をもって愛するのです。

愛情の定義にもいろいろあるでしょうが、ここでは意志のある愛情なのです。

自己否定だけでは何も生まれてきません。

自己否定も結構。

でも、変わろうとしている自分・より善くなろうとしている自分・自分の理想形に

少しでも近づこうと苦しんでいる自分を知っているのは、あなた以外にいないはずです。

否定したい自分や嫌悪したい自分があったとしても、大本は、愛すべき

かけがえのない、この世にもあの世にも二人といないあなたなのです。

肯定すること。

受け入れること。

愛すること。

そうすれば、必ず、欲しい自分を手に入れて行くことができます。

子供のEQを向上させていく手立てとしては、本人とのコミュニケーション

を通しての働きかけに尽きる訳ですが、こ子に挙げた二つが無いと、前向きで

生産的な情動のやり取りが、どうしても、生まれてこないのです。

また、自身の開発に当たっても、この二つが無いと、まず、短期間で頓挫してしまうでしょう。

くどいようですが、必ずこの二点をまずクリアーしてください。

自分の心の中を覗くのは、何か気恥ずかしい感じがしたり、怖い感じ

がしたり、抵抗感があるものです。

でも、一歩踏み込んで下さい。

やがて、自分でも信じられないくらい、輝く、自信に満ちたご自分が手に入るのですから。

 

これからいろいろな実践方法をお教えしていきますが、

その効果を短期間で確かなものにするのが、「書く」という作業です。

その都度、改めて指摘させていただくつもりですが、この二点の確認も

是非、書き留めてみて下さい。

後で読み返せるくらいになった方がいいのですが、慣れない内は、

書くそばから破り捨てても構いません。

それでも、充分に、私の言う効果が予感できるはずです。

この「書く」という作業の有効性を、端的に証明した事例があります。

いずれ改めて、詳しくお話ししますが、ダイアリーメソッドと呼ばれること

もあるようですが、日記を使っての実践です。

あの「9.11」のあと、ミシガン大学のバーバラ・フレデリックソン教授

がこの日記を使った指導で、短期間で多くの人々に「resilient」を実現したのです。

「resilient」というのは、私がいう「たくましい心」の主要な要素だと思っているのですが、

復元力というか、困難を跳ね返す心の力という意味で使われているようです。