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EQの開発②方法論その20 EQ開発講座

2012.7.29

具体的な方法論の話に戻ります。

EQ開発の第一歩は、理想形のイメージ作りでした。

但し、誰もが持っている気質をあくまでも肯定し、その延長線上に作ることが重要だと申し上げました。

そして、その理想形に向けて、日々近づいていくコツは次の三点に着目することだとお話しました。

  1  心理学や脳科学に関する基礎知識を身に付ける

  2  価値観・思想を強化する

  3  出来るだけ多様な経験を積む

その上で、各項目の意味を、例を挙げて説明してきました。

前回で、2の価値観・思想の強化まで終了したことになります。

今回は、3のできるだけ多様な経験を積む、の説明ですが、これはここまで読んで下さった方にには、

ごく自然に受け入れていただけるのではないかと思います。

「場数を踏む」という言葉がありますが、EQの向上についても同様で、知識や理論は重要ですが、

結局のところ、実体験で活かされて初めて向上したと言える訳ですし、

逆に実体験によってEQが鍛えられ、開発されてゆくことも多いのです。

これは容易に想像できることだと思います。

肝心なのは、常に体験をEQの向上に結び付けようとする意識です。

この経験は忍耐力を育むのに有益だろうな。

こうした悲しい場面(例えばかわいがっていたペットの臨終)に立ち会わせるのは、

本人のEQの幅を広げるのに役立つだろうな。

セルフコントロールの力や共感力を養うだろうな。

肉体を鍛える時と同様に、本人の成長度合いや持っている気質に配慮しながら、

限界値を少しオーバーする位の体験をさせるのがいいと思われます。

しかし、いつも経験を取捨選択できる訳ではありません。

もし本人の限界を超えるような心配がある時は、迷わずアフターケアーを行うべきです。

但し、どのような場合でも、生きていく上で避けて通れない出来事だから経験した訳ですから、

決して目をつぶったり、逃げようとしたりすべきではありません。

どんなに強い衝撃を本人に与えようとも、乗り越えなければならない人生の一場面であり、

同時に、またとないEQ向上の好機かもしれないのです。

また項を改めてお話する時には、いくつか、実例をご紹介しようと思っていますが、

ここでは、EQを向上させるのに有益だと考えられる種類を挙げておきたいと思います。

まずある程度の肉体的苦痛は不可欠です。

この意味からも、スポーツは非常に有益でしょう。

オーストラリアに「健全な大人に育てるには、ひもじい経験と寒い経験が不可欠だ」という諺があるそうですが、大いに参考にすべきだと思います。

精神的な葛藤や軋轢、特にコミュニケーションの中でのものが、EQを育てる上では恰好の学習場面です。

伝統行事も思想面を含めて活用すべきです。

その他、感情を表す言葉の数を増やせる経験は、積極的に行うべきです。

その意味でも、文学や音楽や絵画や映画や芝居等、芸術に親しむことは非常に役に立つ経験と言えます。

おおよそイメージできたと思います。

次回からは、1 の 心理学や脳科学の基礎知識を身に付ける  に戻って

必要と思われる事項を、一つ一つ、詳しくお話していきます。