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国語の指導に絡めたEQ向上 EQ開発講座

2014.9.10

情動の具体的な調整方法を前回お教えしましたが、その中で触れられなかった

子供たちへの、国語を活用した方法をご紹介します。

この指導の繰り返しで、EQの向上は元より、国語嫌いが直ったり、国語が

得意になったりした生徒も少なくありません。

以前、ピーター・サロベイ博士と直接お話しできた時に、国語の教材や歴史の教材

に組み込む形で、EQの能力を育む教材作りをしていると申し上げたところ、

積極的にどんどん進めるべきだと勇気づけられたのを覚えています。

その一例です。

まず普段行っている国語の読解の授業で、問題文が物語だった場合、こんな形

で指導します。

問題文の続きを書かせるのです。

ただし、条件を付けます。

情動に関する条件です。

例えば、主人公の太郎は、その後、驚き、喜び、感謝し、最後に誇りを感じた。

この情動の変化に沿っ続きを二百五十字以内で書く、というようなものです。

例えば、太郎はかすかな羽の音に気付いて驚いた。

それは、死んでしまったとばかり思っていた、カマキリのゴンの羽音だった。

自分がえさをやるのを忘れたために、死なせてしまったと思っていたゴンは

まだ生きていたんだ。

太郎の胸に喜びが溢れてきた。

同時に、太郎が早々と諦めてしまった世話を、陰で続けてくれていたのに

違いない、弟の次郎に感謝した。

親子げんかをしたり兄弟げんかをしたりしていても、やっぱり家族の絆はちゃんと

あるんだと思うと、なにか誇りを感じずにはいられなかった。

また教材としては、例えば、

[適文補充]

食事時間になったので、今日初めて同じクラスになった四人は、輪になって

それぞれの弁当を開けた。

太郎は、僕のお母さんの作るハンバーグはおいしいんだぜと自慢しながら

食べ始めた。

次郎は負けじと、うちはコロッケさ。と、まんまるのコロッケを高々と掲げて

食べ始めた。

一郎はとんかつだった。やはり一郎も、このとんかつは特別なんだと自慢した。

しかし、最後になった清は、黙々と食べていた。

太郎はそんな清を見て、こいつんとこは、たいした弁当じゃないんだな。

かわいそうな奴。

と何か優越感みたいなものを感じた。

(                                    )

太郎は何か決まりの悪い、はずかしい気持ちになった。

解答例としては

帰り道、いっしょになった一郎から、「清って、まだ赤ちゃんの時、お母さんが

なくなっちゃったらしいよ。」と聞かされた。

いかがですか。勘所は掴んでいただけたと思います。