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シリーズ連載(NO.29)── アクティブ・ブレイン・セミナーを終えて

小田 全宏氏

●アクティブ・ブレイン・セミナーとは…
 この講座の入り口は、記憶力の増強ということであり、受験などには抜群の威力を発揮します。また、ビジネスマンには資格試験のみならず、仕事の効率やコミュニケーション力の飛躍に顕著な効果が表れます。小学校5年生から80歳をこえた方々までが、新しい自分に出会っている姿は本当に感動的であります。
 私は高校時代に「記憶法」の素晴らしさを実感し、その後個人的に研究をして日常生活に役立てていたのですから、専門家ではありません。そのため、方法論が確立しておらず、試行錯誤の連続でしたが、皆様からいろいろ教えて頂く間に、まさにIQ(知能指数)とEQ(心の知能指数)を統合した現在の構造を創出することができました。(中略)
 2006年の暮にはこのセミナーの実践の一端を披露した『「絶対記憶」メソッド』(PHP研究所)が出版されました。今年(2007年)からは大学の研究室とタイアップした形で、このアクティブ・ブレイン・セミナーの実証的研究をする予定です。
 「記憶法」を通して、各々の方が新しい自分を発見し、新しいスタートを切り、人間関係を豊かにされて、深い自信と感性を一人一人が獲得していかれることを知り、私自身が皆様から大きな喜びを頂いております。このアクティブ・ブレイン・セミナーの試みが日本人の心に新たな希望とエネルギーを生み出す源泉になることを念願しております。
 (小田全宏公式オフィシャルウェブサイトより)

 昨年末と今年の2月にアクティブ・ブレイン・セミナーの講師を務めさせていただきました。
 通常は成人を対象にしておりますが、今回の田島教育グループでは、小学5・6年生とその保護者の方の参加という形式で行いました。小学生が中心ということで、私もどんな結果が出るのかとても期待しておりましたが、その成果に驚くとともに、受講後の自信にみちた子供たちの顔を目のあたりにして、大変感動し、私自身も多くのことを学ばせていただきました。
 今回は、このメソッドに実際の教材を使うという試みをしましたが、普段より格段のスピードで覚えていく様子に驚き、子供達の脳は柔軟で、たくさんの情報をインプットできる能力にあふれていることを改めて実感いたしました。また、同伴の保護者の方々も、自分達の能力を再発見なさったのではないでしょうか。
 今回のセミナーを受講することによって、自分の子供の能力への不安感が解消され、自分達の新しい可能性も知り、家庭ではコミュニケーションが深くなったとのご感想をいただきました。
 積極的にご参加くださった皆様方に心から御礼申し上げます。

 人間の能力は、天才も凡人も遺伝子的には大差はありません。しかし、何かをやり遂げる人は、その人の遺伝子がONになるからだと言われています。
 重量挙げの選手しか持ち上げられないような重い物でも、助けたいと思う人を救うためには、普段想像ができないような力を発揮して、重い物を持ち上げることができます。これを「火事場のばか力」と言いますが、それはその人の思いが強く、遺伝子がその瞬間にONなるからです。
 このアクティブ・ブレインのメソッドは、やり方を学ぶという研修ではなく、本来備わっている自分の力を自分で引き出し、遺伝子をONにさせることが目的です。
 「失った自信を取り戻すには3年かかるが、コンプレックスをつけるのには3日もあればよい」という言葉があります。全く、失った自信を取りもどすのはそう簡単なものではありません。言葉で「君ならできる」といくら励ましても、その人の心が動かなければ、何も変わりません。
 アクティブ・ブレイン・セミナーで、沢山のことを覚えることができた自分自身に驚く、感動するということが、一番大事なことなのです。いつの間にか、かかってしまった心の鍵を解くことになります。子供たちは目前には、暗記学習という壁があるので、セミナーで発見した自分の力を即使って、結果を出すことができるので、とてもはっきりとした効果が見られます。知識の習得が楽になると、その知識をベースに物事を考えたり感じたりすることができるので、さらにまた深く多角的に物事を捉えることができるようになります。そうすると、プラスの相乗効果が始まり、学ぶことは心地よい体験になっていくはずです。

 このアクティブ・ブレイン・セミナーへの親子参加をきっかけに、保護者の方たちも自分の人生をもう一度振り返り、新しい自分を再発見されたのではないでしょうか。どんなことに自分は感動して、どんなことをやってみたいのか、そしてもしかしたら、もうあきらめていた自分に出会った方もいるかもしれません。
 「親が変われは子が変わる」という言葉は衆智な言葉ですが、真実深い意味があります。もちろん子供への接し方や対話の仕方をいろいろ考えて、よいコミュニケーションをとれるように工夫することも大事なことです。しかし、一番大事なことは、親自身が、いきいきと輝いて、自分をあきらめずに努力する生き方を示すことです。
 そんなことを率直に親子で話しあってみると、さらに豊かなコミュニケーションが生まれることでしょう。このセミナー受講をきっかけとして、新しい自分観が生まれ、それが皆様方の幸せな人生に繋がってゆくことと確信しております。

 セミナーをご一緒できたご縁を喜んでおります。まして、親子のご縁を持っていることは、大変に素晴らしいことです。そのご縁を大切に育まれることを心から祈念いたします。
 そして、またお会いできますことを楽しみにしております。

 

  

教育情報コーナー(NO.29)── 落ち着くところに落ち着くのか

田島教育グループ顧問
森上 展安氏

 先日、私立中学高校270校にアンケートを出して160余校からご回答を頂いた大学進学についての回答について少しご紹介したい。
 それは中学受験の入る難しさと、出た実績についてのものなのだが、やはり入る難しさのランクごとに平均をとると出た実績もそれは見事に「それなり」だった。
 そんなことは当たり前と思われるかもしれないが、別の処理をするとそうでもないという資料を毎年作っている者としては、やはりこの結果は悩ましくうつったのだ。
 そもそもその結果は例えば一番入るのに難しい「難関校」でみると、一番多い合格先は早慶の両大学合計であるし、次に入るのが難しい「上位校」でみると、それはMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)ということになる。
 さらにもう少し入りやすい「中堅校」でみるとそれは日東駒専(日大・東洋・駒沢・専修)グループなのである。
 このようにどこの大学グループに多く合格するのか、というその多さの順番をつけて一番多いところ、二番目に多いところ、という選択肢の質問にしている。そうした結果が上記のような次第だった。
 そのことを素直にとると、さすがに「難関校」に入れば「せめて早慶合格」と思っている親にとっては満足がいく結果になっているということだろう。あるいは「せめてMARCH」と考えている親にとっては、やはりせめて「上位校」にわが子を入れておかないといけないということになる。
 実は、早慶の付属は確かに中学入試の「難関校」だし、MARCHの付属校もやはり中学入試で「上位校」にランクされている。
 そういう意味ではほどよくバランスがとれている、といえなくもない。既にしてそのレベルの学校に入れるだけの学力のあるお子様が、大学受験でワンランク上を狙って、しかしながらそれはかなわず落ち着くところに落ち着く、というようにとってもよいかもしれない。
 でもそれでは中高6か年で何の学力伸長もなかった、ということになるし、中高でそれなりに学力を落とさなかった、とはいえるかもしれないが、決して伸ばしたとはいいにくいようにも思う。

〈合格実績というもの〉

 毎年、『入りやすくてお得な学校』(ダイヤモンド社)という本を出させてもらっている。今年も10月頃には店頭に出ているはずだが、そこで用いている表は、まさに入口と出口のパフォーマンスの差の大きいところで、いわば相場よりワンランク上を実現しているような学校である。
 そもそも横軸に大学実績を卒業生数を母数にして、その大学グループ(例えば早慶とかMARCHとか)の延べ合格者数を割って比率を出す。縦軸は入口の偏差値である。そうすると、国公立大合格についていえば、見事な相関となって表中に学校が分散する。
 ところがそれを早慶でとってみると相関がなく、まさに分散してしまう。つまり入口の偏差値が50であってもよいところはよいし、60以上あっても悪いところは悪い。もっともそれは今の入口の偏差値であって6年前の入学時の偏差値でとると若干の違いはあるが、むしろ6年前の方が相関が少ないことも事実である。
 その結果、こと早慶合格ということについていえば、入口の偏差値がそれなりだから大丈夫ともいえないし、ダメだとあきらめるのも早い、ということである。
 こちらの方は、卒業生比率で延べ合格者数でとっているため一人でたくさんの学部に合格するというと実体以上のものになりがちなので、その点の資料の不確実度がある。さらに色々な学校をパーセンテイジ順に並べているのでその差が大きく出る。
 しかし、冒頭のアンケートの手法だとその学校で一番多い合格大学グループという選択肢だから、20名でも10名でも絶対数だからその差はわからないし、ましてその比率(卒業生対比)は前述したとおり様々なのである。
 ということで各々スポットの当て方の違いで随分と印象が違ってくるのが合格実績というもののようである。

〈新たな視点を持つ〉

 そこで一つには、やはり出口の大勢は入口のレベルに左右されるということ。しかし、多勢に流されるかどうかは個人のその時点のありようなので余地はある。そういうことはいえそうだ。
 しかしさらにいえば今春入試の宝仙共学部理数インターのように、桜蔭をけって宝仙共学部に入学した女子のお子様がいたように、新しく作る学校が志を高く掲げると、それが好感をもって受け止められるという入試情勢がいくつかの学校で最近は起こっている。
 これは以前には少ないことで、やはり固定観念のない学校については、入口の難度からは少しワンランクもツーランクも上の実績をあげると宣言しても決して絵空事と否定するのではなく、期待をしてわが子を預けようということであるし、それは現状の学校にはない志の高さ、と受け止められているのだろう。
 そうはいっても入口と出口を結びつける論理が説得力のあるものであって初めて信用が生まれるので、あながち先入観をもってみるべきではないだろう。
 むしろ、そもそも入口と出口が余りパフォーマンスが変わらないというのでは率直に言って選抜機能がその学校にはあるとしても、教育機能が貧弱だ、といえよう。
 その意味でもっと高い教育機能も、たしかに親としては期待したい。とりわけ、いわゆる都立の重点進学校に指定されている日比谷等の進学パフォーマンスがこの数年めざましく改善しており、とりわけ中堅私学となるとそちらに預けるより、高校で公立トップ校に行かせた方が伸びやしないか、と親が迷ってもおかしくない状況もそろそろ生まれつつある。
 ここは従って、今の高校の進学(教育)機能で比べる一方で、学区の公立中学と受験する私立中学の教育機能で比較することも必要になる。中学の新規開校の学校の人気はそんな所にあるのだろう。

 さて、中学受験は大変なブームである。一方、高校、大学受験は少子化の影響をまともに受けて全体の活気から部分的な活気に移っている。
 一番目につくのは、いわゆるMARCHクラスの大学の人気上昇とそれを支える各大学の活発な動きだろう。早慶とこれらの大学は少子化をにらみ一貫指導体制を強化しようとしているし、そのニーズは高い。
 キャップの場合は早くから中学受験専業でノウハウを蓄えてきて今日に至っているので、今日の状況をよく見通してきた、といえる。
 今後は、中学受験の前段階の才能開発とか現状の中高一貫校でなかなか教育開発が十分とはいえない英数国の補助的な指導とか、これら全体の個別ニーズに応える指導などがさらに求められるだろう。

  

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