中学受験・高校受験・大学受験・帰国子女を含む英語教育全般および
教材の出版とテスト会の運営、EQ育成などトータルサポートする田島教育グループ

お問い合わせ

EQの開発②方法論その12 EQ開発講座

2012.6.19

ですから結構、誤作動も多いのです。

人によってはしょっちゅう警報を鳴らしてしまう事も起こる訳です。

先のテスト中に現れるパニックなどは、その好例でしょう。

絶望や驚きが引き金となって、扁桃核が危機管理のボタンを押してしまったのです。

貯蔵された記憶に関連付けられる何かがあったのでしょう。

過去にそうした緊急事態警報発令の経験があったと考えられます。

子供たちには、先の雷の例で話します。

本来、身を守るはずの仕組みが間違って働いてしまって、雷を落としてしまったんだ。

だから、もうそんな間違いを起こさないようにすればいいし、雷が起こした停電は早く復旧させればいい。

まず復旧の話。

本来、脳の中で例える、落雷による停電状態というのは、一瞬なのです。

扁桃核による脳全体の支配はほんの数秒と言われます。

恐怖と同じような非常に強い情動に、激怒がありますが、

この激怒が呼び起こす暴力行為を激減させ、多くの子供たちを救い、学校や地域を再生させたNGOが米国にあります。

そのNGOの名前は「シックスセカンズ」と言います。

そうです。「六秒」という意味です。

シックスセカンズでは、「怒りの嵐に襲われたらなにしろ六つ数えなさい」と教えます。

人の名前でも、食べ物の名前でも何でもよいから、六つ数える準備をしておく事を教えます。

これで確実に嵐は収まるのです。

試験中のパニックでも、同じように対応できます。

深呼吸しながら数秒間、時間を稼げばいいのです。

子供たちには、いろいろ試させます。

呪文(例えば、大丈夫大丈夫とか、事前に考えておいたもの)を唱えたり、好きな風景を思い出させたり、

すきな音楽を思い出させたり、好きな言葉や自分が元気になる言葉を思い浮かべたりしてみる訳です。

効くものが無いという子には、俺の顔と「逃げるなー!」という、この声を思い出してみろと試させてうまくいったこともあります。

そうして、扁桃核によるハイジャック状態から、大脳新皮質によるコントロール状態に戻すのです。

大脳新皮質の支配下にあるという事は、意志が働く世界です。

落ち着けたな、と思ったら空かさず、自らを励ますモードにもっていかせます。

絶望の対極の世界です。

希望と楽観の世界です。

コツは時間稼ぎをした時とおなじです。何か呪文なり、誰かの顔なり、風景なり音楽なり希望や楽観に繋がるものであれば何でもいいのです。

落ち着くことが出来たということだけでも、評価できます。

これで上手くいく。凄いぞ。俺は勝てる。やれる!。と励ますだけでも積極モードに切り替えることもできるかもしれません。

この段階で、障害になりかけていた情動を、いわゆるIQを支援する情動に変化させる事に成功したことになります。

正にEQが向上したと言えるのです。

そして、EQが最高の働きをして高度な集中状態を実現した、「フロー」の状態の現出も可能になってきます。

これに成功すると、テストの成績は格段に良くなっていきます。

このフローについてと、先の落雷による停電の予防については、次回お話いたします。