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EQのヒントⅠ-⑩ EQ開発講座

2012.2.19

私は三人兄弟で、上二人が、それぞれ9歳・7歳違いの姉でした。

末っ子の長男ということで、それはそれは父が溺愛していたと母からたびたび聞かされました。

我儘し放題。家の中では王様のようだったそうです。

当時我が家には、「サヨちゃん」という子守りの女性がいました。

その日もサヨちゃんの背中に乗って、近所の子供たちといっしょに「電車山」に行ったのです。

電車山というのは、こんもりとした堤防のような小山が畑の中にあり、近くを信越線の線路が通っていて、小さな小川も流れており

電車を見たり、おたまじゃくしを掬ったり、ザリガニを捕ったりと小さな子供たちが存分に遊べる自然の遊園地だったのです。

私の家は高崎市住吉町という住所でしたが、国鉄北高崎駅のすぐ近くにあり、電車山はたぶん駅周辺にあったと思われます。

電車山に着くと、私はサヨちゃんの背中から降り畑のあぜ道を駆け出しました。

サヨちゃんは止めます。

一人で行っちゃだめだよ。

手をつながないとだめだよ。

私は言うことを聞きません。

どんどん畑の中に入って行きます。

とても鮮やかに情景が浮かんできます。

その時の何とも誇らしい気持ちがまだ甦るような気さえします。

その時です。

ドッボッーン!

世界が一変しました。

肥溜めに落ちたのです。

水面らしきものが頭上に見え、しばらく、ただ驚いたままの状態だった記憶です。

サヨちゃんに引き上げられ、丸裸にされ、小川で衣服ともども洗われました。