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伸びる子・受かる子に共通する能力ー集中力の育て方 EQ開発講座

2014.6.16

いわゆる出来る子には共通してある能力があります。

それは、集中力です。

すぐ集中でき、それを持続させられる。

この集中力は別名「フロー」とも呼ばれているようです。

どうしたらこの「フロー」を身に着けされられるか、そのお話し

をしていきます。

 

中学受験で成功する子、特に上位校・難関校と言われる学校に

合格してゆく子は学習の場面やテストの場面で例外なく、

このフローを体験していくようです。

フローとはどんな状況のことを言うのか。

誰でも経験したことがあるはずの、あの忘我の世界のことです。

通常、私達は、行為している自分とそれを見ている(モニターしている)

自分と二つの意識が働いていると言われますが、これが混然一体と

なった状態だといわれます。

三昧の境地という表現もあります。

スポーツ選手は、この状態を「ゾーン」と呼ぶようです。

EQの研究者たちは、このフローこそ、EQが最高に発揮された場面の一つ

だといいます。

勉強でも、スポーツでも、ゲームでも、また絵画や音楽といった芸術の

分野でも、良好な結果を修める人は、間違いなく、人から、集中力がある

と言われます。

当たり前ですが、人は誰でも、自分の得意分野では集中力を発揮しています。

集中できるから得意なんだとも言えるでしょう。

この集中力が高度に発揮され、同時にリラックスできている状態、つまり

情動は良くコントロールされ、情動の雑音から一切解放された状態がフロー

だとされます。

神経回路の覚醒も抑制も必要最小限に抑えられ、最高最大の能力を発揮

しているにもかかわれず、消費されているエネルギーは最少だと判っている

そうです。

そしてこのフローの中では、内発的な歓喜や効力感、別の言い方をすれば

ある種のエクスタシー・絶頂感が出現している事も判っています。

 

以前、中学受験生は毎日、格闘技にも似た我慢という

試練に立ち向かっていると言いましたが、それは勉強開始前後の時だけで、

実は多くの時間で、ランナーの特権と言われる「ランナーズハイ」と同様な

受験生ハイが起きていると思われるのです。

したがって、フローの喜びを知った子供が、もう一度フローを経験したい

という気持ちを持ち、勉強意欲を強くしていくことは、大いに期待される

ことです。

では、どうしたら、このフローをうまく出現させられるのでしょうか。

フローの研究の第一人者と言われる、チクセント・ミハイリ博士は

立ち向かう課題に関して、「退屈と不安の間のデリケートな範囲で起こる」

と結論付けておられます。

つまり、課題が簡単過ぎると退屈してしまうし、難し過ぎると不安になって

しまうということでしょう。

前提となる、動機付:やる気といったものも含め、親や指導者の腕の見せ所とも言えるでしょう。

また、先の最小限の知的エネルギー(大脳新皮質の活動効率)しか使われない

という事実から、課題の分野または領域については、反復練習がおこなわれ、

肉体運動であろうと、知的作業であろうと、脳の神経回路が効率よく発達

していることが必要だとされています。

そして、なによりも、フローの経験をより多く体験する事が、重要だと言われます。

以前お話した、知能の多重性理論を提唱された、ハワード・ガードナー博士は

フローに代表される心理状態の基で行われる学習こそ、最も健全な教育方法

の一つだと指摘されています。