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伸びる子、受かる子、たくましい子を育てるEQ講座

続・続楽観性を身に着けさせよう!

楽観性の身に着け方の最終章です。

楽観性を基に、楽観志向を強める工夫までお話しします。

更に、楽観性の限界値、つまり、どこまで楽観的であることが

望ましいのか、研究者たちの研究成果をご紹介します。

自己暗示の効果を、最大にするタイミングがあると言われています。

何時だと思いますか。

前回ほんの少し触れました。


それは就寝直前です。

そして鏡を使うと、より一層高い効果が期待できるそうです。


どうするかと言うと、歯を磨きながらでも、鏡に映った自分に

向かって暗示をかけるのです。


「おまえはどんどん強くなる」

「おまえはNO.1だ」とか。


このミラー作戦は自分自身も、また教え子たちも、大きな成果が上がっています。

是非試していただきたいと思います。

最低三週間、ご自分に強制して下さい。

何事も、平均三週間で習慣化するという論文があります。


就寝直前が最も効果的だと言われるのは、就寝直前の想いが

ストレートに潜在意識に入って行き易いということのようです。

 

だとすると、マイナスの想いは厳禁だということになります。

もし就寝前に、心配事や腹立たしい事、また不安や怒りを掻き立てる

ような出来事を思い浮かべたりしたら、文字通り、悲観志向まっしぐら

と言う事になる訳です。


特に、布団に入ってからが要注意です。


私達がごく自然に思い出す事柄の80パーセントは、悲観的・否定的な

ものだという論文もあります。


ですから、寝床に入ったら、何も考えない、何も思い出さない、というのが

一番いいのでしょうが、私自身の経験から申し上げても、なかなか難しい

と思います。


放っておけばまず間違いなく、あれこれ悩みを持ち出し始めます。

 

一つのコツは、いくつか、思い出す事柄なり情景なりを決めておくことです。

前向きで楽しくて、明るくて、希望がもてて・・・・・


でもあまり興奮してしまうようなものでは、こんどは寝付けなくなって

困りますので、何とか工夫のしどころと言えます。


そう思うと、世界共通ともいえる、寝る前のお母さんやお父さんの絵本読みや

おばあちゃんやお母さんのお伽話の持つ深淵な意味に気付かざるを得ません。


暗示について最後の事項に進みたいと思います。


それは人付き合いについてです。

 

暗示の力というのは、自分の言葉だけにあるのではないようなのです。

自分の周囲の人々から受ける言葉の影響も大きいようなのです。


もちろん一日中行われている、頭の中のつぶやきが最も強力なのですが、

そうしたつぶやきも、親しい人の言動の影響を受けるようなのです。


思春期までの子供たちに対する楽観性の育成のところで、親の悲観志向と、

教師による本人に対する全面否定が最も大きな障害になり得るという、

セリグマン博士の研究成果をご紹介しましたが、成人については

普段お付き合いしている親しい人からの影響が障害になり得ると言えるようです。


成人になれば誰でも、他人の言動に対しては一定の批判眼を持ち、自分

なりのフィルターを通してから受け入れているので、おいそれとは、

子供のような影響はないとはいえ、ゼロではないようなのです。


特に自分が心をオープンにした人や頻繁に接触する人。

ちょっと点検してみて下さい。

 

みなさんの周りで、いつも人の悪口ばかり言っている人いませんか。

いつも不平や不満を垂れ流している人いませんか。

他人や世の中に怒ってばかりいる人いませんか。


そんな人がいて、実はいつも何となく厭な思いをしていたなんて方も

いるかもしれません。


もし何か引っかかる人があったら、しばらくできるだけ距離を置くような

工夫をしてみましょう。

何か変化があるか様子を見ることをおすすめします。


今度は逆に、最近何となく、何人かの人からはっきりした理由もなく

距離を置かれている自分を感じるようなことがあったら、自分が

否定的・消極的・悲観的な言動に終始していないか、点検してみる

といいと思います。

 

何にも気付かなければOK.


楽観志向でいきましょう。


もし何か思い当たれば、直すだけのことです。


こうした経験や実験の果実は、しっかり子供たちに伝授しましょう。



楽観性に属する代表的な 情動としては、感謝・誇り・希望・楽しさ・喜び・

安らぎ・関心・やる気・敬い・愛情などが挙げられています。


ですから、こうした情動をより多く体験することが、楽観志向を高める事

に繋がると言われます。


また、これまで何度か触れてきました、こころの復元力(Resilience)は、

こうしたポジティブな情動を多く経験した人ほど高くなることが

実証されています。


ではどうしたらポジティブな情動を経験する機会を増やせるのでしょうか。


これもこれまでに何度か触れたと思いますが、「情動の変化は、降って湧いて

くるようなものではなく、実は驚く程コントロールできる」ことが実証されています。


ほとんどの情動の変化は、遭遇した出来事によって自動的に引き起こされる

のではなく、その出来事に対する見方・捉え方によって惹起されることが判って

いるのです。


以前にもこんな例を挙げたと思います。

隣の友人が突然あなたの頭をポカリと叩いたとしましょう。

自動的にあなたは怒りの嵐に襲われすぐに反撃に出るでしょうか。

そんな場合もあるかもしれませんが、その行為の意味あいによっては

親しみや感謝や安らぎや希望までも感じられるかもしれません。


ということは、ポジティブな情動を惹起する、見方・考え方が鍵になると

いうことになります。


つまり、ポジティブな情動を呼び起こす呼び鈴があるということです。

この呼び鈴に関して、研究者は、「誰でも、自分なりのパターンを持っている」

と指摘しています。


さまざまな出来事に対して、見方・感じ方・考え方の癖を持っているというのです。

そして、まず、その癖を知ることが重要だと教えています。


例えば、あなたが時間に関して厳しい考え方を持っているとします。

電車の遅れや予定のずれは、すぐに怒りや不満の原因になります。

つまり、ネガティブな情動を引き起こしやすくなる訳です。


そんな時、その状況を何とか積極的に評価して、ネガティブな情動が起きるのを

防止し、同時に、ポジティブな情動を呼び起こす工夫を薦めています。


上に挙げた例で言えば、その遅れやずれが何かの役に立つとか、何らかの

良さ・プラス面を見出す努力が有効だというのです。


こうして、日々、ポジティブな情動をより多く経験することにより、楽観志向が

強まり、物事に対する感じ方や捉え方が積極的になり、考え方も視野の広い

積極的・肯定的・楽観的なもになり、そのこと自体が、また、より多くの

ポジティブな情動を呼び起こす、という上昇スパイラルに入っていくというのです。


素晴らしい研究成果だと思いませんか?


鍵はポジティブな情動を呼び起こす呼び鈴です。

この呼び鈴を確かなものにするということは、即ち、EQ理論で言うところの、

情動の調整や管理をする能力を向上させることになる訳です。


ところで、ここで疑問が湧きます。

ポジティブな情動を経験すればする程よいのでしょうか。

際限なく楽観志向を高めることが有益なのでしょうか。

 

と言うのも常に100%楽観的である、というのは、まず、直感的にあまり

好ましくないと感じてしまうからです。


みなさんはいかがですか?


基本は楽観的でも、多少ネガティブなところがないと、慎重な判断や

鋭い批判などは難しいのではないか、と想像されませんか?


これに関しては、実は、明確な答えが出ているのです。

何人もの科学者が実証的に具体的な答えを出しています。


まずこれまで何回かご紹介したバーバラ・フレドリクソン博士は

ポジティビティ(積極的・楽観的・肯定的なこころの状態)と

ネガティビティ(消極的・楽観的・否定的なこころの状態)の比が

3:1以上が好ましいと結論付けています。


この比以上ポジティビティがないと、その人らしい活力ある生活が

実現しにくく、この数値を超えると急に能力や個性を発揮でき、

生活が充実してくる事を様々な検証を積み重ねて実証したのです。


同様にジョン・ゴッドマン博士は、結婚に関して5:1以上と導き出しています。

つまり、夫婦が共に満足し一定の幸福感のなかで結婚を維持するためには

この比以上のポジティビティが二人の間に必要であると実証しているのです。


またロバート・シュワルツ博士は、最適なポジティビティ比は4:1とし、通常は

2:1で、うつ病などの病的なポジティビティ比は1:1以下だとしています。


ただネガティビティについては、0を標榜したものは、当然とも思いますが、

私が勉強した限りありませんでした。


充実した生活を実現するためには、適切なネガティビティが不可欠だというのが

研究者の一致した見解のようです。


みなさんもこうした数字には一応納得されるのではないでしょうか。


ただ問題もないわけではありません。


研究者たちが示してくれた、このような数値は、実際の結果であるという事です。


それを考慮に入れると、私達日本人は、相当ポジティブの方に傾く努力を

しなければならないのではないかと私は考えてしまいます。


先程ご紹介した数値は、すべてアメリカの人々を対象にしたものであり、アメリカと

日本では文化も違いますし、国民性もかなり違うと思うのです。


つまり、私自身の拙い経験から言っても、日本人の方が、ネガティブ・根暗だと

思うのです。


素人の私がとやかく言っても仕方ありませんが、私達としては、目一杯の

ポジティブシフトを心掛けていいのではないかと思われます。


この分野での、日本の研究者の成果を期待するばかりです。



最後に学力に関して、楽観性・ポジティビティの働きをもう一度整理しておきたいと思います。


ポジティビティが高まると、思考は拡張(broaden)し視野も広くなり、柔軟な洞察を

支え、独創性も増すことが実証されていることは以前にもご紹介しました。

一方、ネガティブにシフトすると、その反対で、思考はどんどん狭く(narrow)

なってしまうことも実証されています。


ですから、ポジティブであることが、良好な学業成績を修めるための、一つの

必要条件と言える訳です。


ところが、現場で教えたご経験のある方ならたぶん同意してくださると

思うのですが、成績の良い子は以外にも、ネガティブな子が結構多いのです。

例えば、いつも必要以上に結果を悪く見積もり、不安を抱き続けている

ような子供です。

 

そうしたネガティブな心が、自分を奮い立たせ、自身を厳しく監視し、

努力を継続させ、好結果を生んでゆく。


それを考えると、ポジティブィティを高めるよりも、逆に少しネガティブの方が

学力向上には有利なのではないかと当初は疑問を持っていました。


また、長い間子供たちを見てくると、統計的にどうと言えるレベル

ではないにせよ、青年期以降、こころの問題を多少なりとも抱えて相談に

こられるのは、以外にも学業成績の良かった、聡明で良識ある子供の方が

多いのです。


こうしたことから、今の私はこう結論付けています。


役に立つ、必要なネガティブィティも存在するが、やはり基本は、

そうしたネガティブな面も支えてしまうポジティブィティをいかに増やしていくかが

鍵だということです。


ネガティブに見える成績優秀な子も、ポジティブィティをもっと増やせれば、成績も

もっと伸びたかもしれないと考えるのが、多くの研究成果から素直に導き出される結果でないかと思われます。



 


 

 







 





 

  2014/07/12   田島 教育グループ

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