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中学受験・高校受験・大学受験・帰国子女を含む英語教育全般および教材の出版とテスト会の運営、EQ育成などトータルサポートする田島教育グループ

伸びる子、受かる子、たくましい子を育てるEQ講座

情動の調整方法(やる気の引き出し方や集中力の保ち方)

今日はどうも朝からイライラして仕方がない。


昼ごろから原因不明で落ち込んでいる。


勉強しなければと思うのに、手に付かない。


何故か今日は、なかなか集中できない。


などと、情動の調整が突然うまくいかなくなる事があります。

誰でも経験する、ごく自然な症状といっていいでしょう。


こんな時に役立つ脳科学の知識があります。

今回はその知識とそれを応用した方法のいくつかをご紹介しましょう。



 

まず第一は、小脳の働きに関するものです。

小脳は運動機能を調節する働きがあるそうです。

大脳による大まかな運動指令を、細部に及ぶ微調整を加えた

情報に変えて、各部を動かす。


ここでEQに関して重要なことは、小脳が活発に働くと、

情動の働きを弱めてしまうというところにあります。


つまり、運動すると、情動の影響を受けにくくなり、気分の改善

が期待できるということになります。


このことから、最初に挙げたような、一時的なEQの不調による

情動の調整不良の時は、とにかく体を動かしてみることが有効

だと考えられます。


みなさんも論より証拠。

すでに経験済みだと思います。


ただ理論的に納得し、確信をもって活用してきたとは

いえないのではないでしょうか。


ここでも指摘しておきますが、個人差は常につきまといます。

不調になる頻度、回復の経過など、どうしても個々人の気質

の影響はあるようです。


しかし、この小脳と情動との関係はほぼ証明されているようです

から、活用しない手はないはずです。


散歩でもジョギングでいいですし、竹刀やバットを振ったり、

シャドウボクシングとかカラオケなんかもいいかもしれません。


但し、短時間でOKです。

小脳が活発化すれば、すぐに情動の悪影響は弱まるといわれて

いるのですから、気分が快方に向かったら、本来の仕事なり勉強に

早く復帰すべきでしょう。


ストレス対策としても応用できます。

 

勉強中、「解けない。解らない。」と自分に腹を立て、セルフコントロール

が失調してしまい、大声を上げてものを投げたり、壁を蹴ったり

たたいたり、泣き出したりする子供の相談はいやというほど受けてきました。


親御さんは、相当あわてている場合が少なくありません。

気でも触れたんではないか、自分が子供をおかしくしてしまったんではないか

と言って、飛び込んでこられることもありました。


まず、自分に腹を立てるなんて、なんてりっぱな子なんでしょう。

と私はお話しします。


自らの目標なり、理想形があって、自尊心がなければ、そもそも

腹が立つなんてことは起こらないはずなんです。


問題はストレスをどのように解消するかなのです。

そして、壁に穴が開いたり、物が飛んだりしない、もっと安全な方法を

考えましょう、と提案します。


行き詰ったら、町内を一周してくる。


犬を散歩させる。


家の買い物をさせる。


壁打ちのサッカーやテニスやキャッチボールをする。


駐車場にバスケの籠を設置して、数分一人バスケをやる。


お母さんがダイエットのためにと、通販でかったランニングマシーン

で走り込む。


起き上がり子法師人形を殴ったり蹴ったりする。


本当にカラオケの設備を設ける。・・・・・・・・・。


すべて実際にあった対策です。


EQ理論もなかった何十年も昔、私は新聞紙を丸めてガムテープ

で止め、紙製の刀を何本も作り、塾のあったビルの屋上で

男子対女子でチャンバラを制限時間一分でやらせていましたが

(今はもちろんこんな事は許可していません。念のため。)

ストレス対策としては非常に効果的だったと記憶しています。


テレビゲーム・ファミコン系はだめです。

私は絶対と言いたいのですが、個人差は否定できないので

強く反対しておきます。


では、体を動かせない時はどうするか。

 

万事休すなのか。


大丈夫。


ちゃんと対策は考えられるのです。


脳の仕組みは本当に不思議です。

 

ここでちょっと復習しておきます。


小脳には、情動の影響を弱める働きがあるということでした。

具体的には、情動と運動との関係に置き換えて、

「運動と情動とは互いに相手を抑制する傾向がある」

という知識でした。


この知識を積極的に活用して、体を動かすことによって

EQの不調を改善させましょう、というお話をしました。

 

では、体を動かせない状況ではどうしたらよいのか。

 

この場合も、脳科学は、役立に立つ小脳の働きに関する

データを提供しています。


実際に運動しなくとも、脳内で運動を意識しただけで、

小脳は感覚や情動の働きを抑制することが判っている

というのです。


この知識を生かす具体的な方法論としては、「自己説明」

や「自己報告」と言われるものが考えられます。


自己説明というのは、自分が今行おうとしている動作や

実際に行っている動作について、自分自身に説明することです。


心の中で無言でやって構いません。

例えば、「今右手を上げようとしている」とか「左手で右耳を引っ張ろう

としている」とか、実際に行っている場合なら、「階段を降りる」

「右足から降りる」「続けて左、右、左、右、・・・」とか。


自己報告というのは、ただ今現在における自分の感覚や情動を

自分自身に報告することです。


これも、声に出さず心の中で行って構いません。

例えば、「時計の音が聞こえる」とか「指先が少し冷たい」とか

「腕に机の木の感触が伝わる」とか。

また、「今イライラしている」とか「不安を感じている」とか「悲しくなって

きた」とか。


こうした報告や説明という作業が実は小脳の働きを活性化させ、

結果、情動の悪影響が弱まる効果が期待できるというのです。


ここでまた繰り返しになりますが、効果については個人差があります。


ですから、まず試してみることが最重要です。


実際にに活用してみないことには何も始まりません。


万一効果が無かったとしても、何も損なことはないはずです。


もし何らかの効果が見いだせたら、それこそ、一生ものの宝になり得る

のではないでしょうか。


私は私が経営している塾の先生たちにも、まず自分自身で活用してみる

ようにお願いしています。


その上で、保護者のみなさんや生徒たちにもお教えするように指導しています。


少しでも効果が感じられたら、繰り返し体験する事が大切です。

繰り返す中で、自分に最適な方法が確立してゆくからです。


同時に、そうした成功体験の積み重ねこそが、ご自分の情動に対する

洞察力や、情動を調整・管理し活用することへの自信を育ててくれるからです。


一度しかないこの人生を、人間らしく、自分らしく、強く、たくましく、しなやかに

生き切るのに、きっと役に立つはずです。


小学4・5年生から、子供たちもちゃんと理解できます。

是非教えてあげてください。

 

情動調節の最後の方法として、とても簡単なものをご紹介しましょう。

 

その前に、セレトニンと脳波と自律神経について触れておかなければなりません。

 

まずセレトニンですが、心のバランス調整に不可欠な、神経伝達物質と言われています。

ですから心の安定のためには、適量がきちんと分泌されていることが重要になってきます。


脳波には、α波やβ波やδ・θといった4・5種類の区別があり、

その波形ごとに、脳の状況は大きく変わると言われています。


眠りに入っている状態や目を覚ましている状態、過度に

興奮していたり、緊張していたり、またリラックスしていたり等々で、

現れる波形が変化すると言われています。


波形に対する細かな評価や、変化を起こす原因については

まだまだ議論があるようです。


ただ、覚醒時では通常β波が支配的であり、適度なリラックスと

集中力が得られるとα波が現れ、特に、以前お話しした「フロー」

の状態ではほぼ間違いなくα波が検知できる、という事については

争いはないようです。


人間の体の基本的な生命維持機能を担っているのが、自律神経と

言われる系統です。


意思とは関係無く、自律的に働いて、血液を循環させたり、体温を

調節したり、内臓を動かして、消化吸収したり、汗をかいたり、

様々な働きをしています。


交感神経と副交感神経とが拮抗して働き、一定のバランスを保って

いるとされています。


その中枢は視床下部と言われるところで、情動を司るあの辺縁系とは

隣接しており、相互に影響し合うことが判っています。


情動の調節機能が不調の時は、何らかの肉体的な不調も引き起こして

いる可能性が高いと言えます。


実際、強いストレス状態にある時は、交感神経が強く働いていて

心臓の拍動や呼吸が速くなるそうですが、誰もが経験している

ことだと思います。


さて、ここで質問です。


情動調節の不調を改善させる方法として、セロトニンの分泌を促したり、

α波を引出したり、副交感神経の働きを強めたりすることが考えられますが、

これらすべてについて、しかも一瞬にして効果が期待できるとても簡単な方法が

実はあるのですが、それはどんな方法でしょうか?


エビデンスも整っており、専門家の間でも、ほぼ争いが無いと言える

方法です。


実は誰でも知っているはずの事です。


本当は、ここでページでも変えたいところなんですが、仕方ありません。


正解は「深呼吸」です。


正解された方も多いと思いますし、思いつかなかった方も

「なーんだ。そんな当たり前のこと言うなよ。」

と少し立腹されたかもしれません。


それほど、深呼吸の効用はポピュラーのはずです。


しかし、普段の生活で活用している方はどの位いらっしゃるでしょう。


私の経験上、非常に少ないと推測されます。


是非ここで深呼吸を再評価していただき、活用してみてください。


くどいようですが、試してみなければ何も始まりません。


その上で、子供たちにもっと積極的に教えていただきたいと思います。


日常的に、ごく普通の生活態度の中に織り交ぜていくことをお薦めいたします。


経験上、驚く程の効果に気付かれるのもまれではありません。


私が申し上げているのは、あくまで深呼吸です。


これがいったん呼吸法となると、諸説あるようです。


宗教的な教えから、気功や気、ヨガ、瞑想、禅、武術等々。


それぞれについて極めるのも良いとは思いますが、

 

科学的に効果が立証されている深呼吸を、まず日常的に実行してみては

いかがでしょうか。


字数が限度になってしまったのですが、この続きがまだ少しありますので

続編として書きます。

 

  2014/07/03   田島 教育グループ

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